2016年度スローガン
『 みなとイズム 』
基本理念
~ 青さを忘れず おもしろきタネを 蒔き続けよう ~
基本方針
・時代に即した組織運営と相乗効果のある情報発信の実践
・「志」を継承し組織としての担いを果たすための会員育成の実践
・新たな交流を生む「種まき事業」の実践
・地方創生時代に即した真に自立する郷土の創造
・郷土のたからに一隅を照らし新たな価値を見出すまちづくりの実践
・次代に向け積極的な活動の礎となる会員交流機会の促進
・想いを伝播し共に歩む新たな仲間づくりの機会確立
・圏民意識を醸成するための諸団体との積極的連携と情報共有
理事長所信

第53代理事長
門脇 俊介
【はじめに】
一般社団法人境港青年会議所は1965年、米子青年会議所のスポンサーのもと、42名の熱い志を持った青年により、全国294番目の青年会議所として産声をあげ、昨年、創立50周年を迎えることができました。
創立50周年記念式典において、これまでの50年の永きに亘り、それぞれの時代を青年として、英知と勇気と情熱をもって担ってこられた先輩諸兄並びに、ご支援、ご協力頂いた皆様への敬意と感謝をお伝えさせて頂きました。また、これからの未来への提言として「原点海帰(げんてんかいき)」~「海」を見つめ直し「海」と共に発展する~を発表することにより、私たちの想いを皆様にお伝えし、これからも引き続き、境港の発展に寄与する団体として活動を行って参る決意を新たにしたところです。
【時代に即した組織運営と相乗効果のある情報発信の実践】
当会は、公益法人制度改革に伴い、2013年にそれまでの社団法人から一般社団法人に移行しました。本年度は、より真に自立したこれまで以上に高い自覚と責任が求められる団体となるため、定款並びに運営規定を時代に即した形での見直しを行い、今後の活動に向けた方向性を示して参ります。
併せて、当会の活動を周知して頂くための広報活動も積極的に行って参ります。近年では、ホームページだけでなく、様々なSNSツールの普及により、誰でも簡単に瞬時に情報発信できる時代となっております。このような状況の中で、これまでも様々な手法で広報活動を行って参りましたが、私たちの情報発信だけでなく、市内外の注目すべきトピックにも焦点を当て、様々な団体や個人の情報も取り上げることにより、お互いに相乗効果のある情報発信を実践して参ります。このことにより、「私たちの活動を見て下さい」、「事業に参加して下さい」だけでなく、様々な関わりを共有することから、新たな交流が生まれ、結果的に当会の存在意義や理解も深まり、社会的認知度が向上するものと考えます。
【「志」を継承し組織としての担いを果たすための会員育成の実践】
私たちは、「明るい豊かな社会の実現」のために、様々な活動を行っております。当会は単年度制ということもあり、時代に即して新陳代謝を繰り返しながら、その歩みを進めて参りました。但し、時代は変われど、普遍的に脈々と受け継がれている「志」があります。手法は変えてもこの「志」は引き続き継承していかなければなりません。また、個人としてひとりひとりの色を出し、時には単色、時には混色で様々な色を出せるのが組織たる所以であると考えます。今後も地域に貢献できる団体として、今一度、JC(組織)としての担いを果たすためにJAYCEE(個人)の意識向上を目的とした会員育成に努めて参ります。
【新たな交流を生む「種まき事業」の実践】
今後、30年間で20歳から39歳の女性の人口が5割以上減少することを指標とし、少子化と人口減少が止まらず存続が危ぶまれると指摘された896市区町村の自治体を「消滅可能性都市」として発表されたデータは全国的に非常に大きな波紋を呼び、今後の課題として全国各地で様々な対策が取り組まれることとなりました。幸い、境港市は、この中には含まれておりませんでしたが「子育てするなら境港」をキャッチフレーズに既に様々な行政支援が行われております。
当会としても、20歳から40歳までの団体であり、子育て世代でもあることから、当事者意識をもって、将来の少子化対策、人口減少対策に少しでも寄与できるよう、まずは若い世代の出逢いの場を「種まき事業」として提供して参ります。このような機会が新たな交流を生み、この地域を理解し、魅力を感じて頂き、次の世代として根をはって暮らしていくことにつながるような“ひとづくり”を実践して参ります。
【地方創生時代に即した真に自立する郷土の創造】
前述した「消滅可能性都市」の発表をきっかけに「地方の人口減少」、「東京一極集中の人口流入」への対策として、地方創生という大きな動きが生まれました。これまでの国からの方針が画一的に地方に適応せず、多様化が求められることにより、自治体それぞれが課題に取り組むこととなりました。
境港市においても、このような問題を克服し、魅力と活気にあふれ、心豊かに安心して暮らせるまちを構築していくために、この地域の特性、魅力を活かし、人口、経済、地域社会の課題に一体的、持続的に取り組んでいくために「境港市総合戦略」を策定することとなり、2015年度から2019年度までの5年間に「まち・ひと・しごと創生」の政策5原則(自立性・将来性・地域性・直接性・結果重視)に基づき、関連する施策を展開することとなっております。
当会としても、先が見えない時代と憂うのではなく、先が見えないからこそ、色々な可能性を探ることができると考え、創立50周年において、これからの境港のビジョンを提言という形で発表させて頂きました。この提言は、私たちの活動指針でありますが、この想いを伝播し、響感(きょうかん)して頂く方々と一緒に取り組むことにより「協働のまちづくり」の実現に寄与して参ります。
本年度は、この「協働のまちづくり」を提唱しておられる境港市が示す「境港市総合戦略」と私たちの提言を改めて照らし合わせ、これから進むべき真に自立した“まちづくり”の方向性を創造して参ります。
【郷土のたからに一隅を照らし新たな価値を見出すまちづくりの実践】
当会は、前述した創立50周年の提言において、海が繋ぐ7つのSeaとして、①うつくしい「海」、②おいしい「海の幸」、③いとおしい「まち」、④たくましい「こども」、⑤うれしい「おもてなし」、⑥やさしい「こころ」、⑦たのしい「交流」を掲げました。これらの実現のための動きが提言を行った団体としての責務であると同時に、事業として実践することにより、また新たな課題や可能性を探ることができると考えます。そこで、実践するにあたり、これまでの境港の流れを踏襲しつつ、新たなものや画期的なものの創造だけでなく、既存のものを見つめ直し、活かしていく方法や、再構築、組み合わせ等のエッセンスの注入により、新たな価値を見出す方法で、郷土のたからに一隅を照らしたいと考えます。
現在、残っているものというのは、その地域性や独自性により、この土壌に合っており、蓄積された歴史、環境に適応し生き残ったものであり、簡単には無くならない不変の“チカラ”があると考えます。ただ、時として、地元で暮らしている者にとっては、当たり前になってしまい、その価値を見落としがちな場合もあります。そこに新たな視点を加えることにより、これまで見向きもされなかったものが注目を浴びる可能性があると考えます。
どこでどう花が咲くか分かりません。あらゆる分野、場面でそんな“タネ”を探し、蒔き続けることがこの地域に生きる者として、これからも根をはり、生き抜いていく力になると確信し、提言に基づく“まちづくり”を実践して参ります。
【次代に向け積極的な活動の礎となる会員交流機会の促進】
JCの三信条に「修練・奉仕・友情」があります。これは、個人の修練、社会への奉仕、世界との友情を示しております。当会に置き換えましても、様々な場面で個人が修練を積み成長し、事業としての奉仕活動を通じて、真の友情が生まれ、一体感のある団体になっているものと自負しております。
本年度も引き続き、会員相互の友情を更に深め、次代に向けても積極的関わり合いや当事者意識を持つ会員となるために、ご家族をはじめとする周囲の方々も交えた会員交流機会を促進して参ります。会員の一番の理解者である身近の方々に私たちの活動をご理解頂き、響感(きょうかん)を得ることこそが、まずはスタートであり、その延長線上に、まち全体をも巻き込む力になるものと考えます。
【想いを伝播し共に歩む新たな仲間づくりの機会確立】
当会は、20歳から40歳までの年齢制限のある団体です。従って、常に新たな仲間を募っていく必要があります。これまでも積極的に仲間づくりを推進してきましたが、本年度は、更に私たちが積極的に活動を伝播することにより、その魅力に引き寄せられるような交流の機会を設けたいと考えます。
私たちの活動が、郷土の魅力になり、誇りになり、文化になっていくことを願い、共に歩む仲間づくりに努めて参ります。
【圏民意識を醸成するための諸団体との積極的連携と情報共有】
先に述べさせて頂きました創立50周年の提言の中で、この境港市だけでなく「中海・宍道湖・大山圏域」を意識し、この圏域に暮らす人々を「圏民」と捉え、県境を越えたひとつの地域であるという意識を醸成していきたいという想いを掲げました。この圏域は、約66万人の人口を有し、古くから地理的、歴史的な繋がりがあり、豊かな自然と歴史・文化を背景に恵まれた生活環境や充実した都市機能を有する山陰の中核的な都市圏として発展してきました。
本年度は、この圏域を含めた多くの諸団体との積極的な連携と情報共有を行い、これらの団体の事業にも積極的に参加し、関わりを深めることにより、境港の役割や貢献すべき部分を見出したいと考えます。
【結びに】
昨年、創立50周年において、改めて当会の歴史を振り返ると共に関係者の皆様との絆に触れ、現在も脈々と流れている“境港の流儀(イズム)”というものを実感致しました。私自身、生まれも育ちもこの境港です。これからもこのまちに根をはり、生きていく覚悟のもと、本年度のスローガンとして「みなとイズム」を掲げさせて頂きました。
また、これまで私自身が青年会議所活動を通じて学ばせて頂いたことを教訓にこれからも継承していきたいという想いのもと、「青さを忘れず おもしろきタネを 蒔き続けよう」を基本理念とさせて頂きました。若さや青さは、私たち青年にとっての特権であり、新たな発想や活動の源であります。また、“おもしろき”とは、単に楽しく、愉快であるだけでなく、興味をそそり、こころ惹かれ、風流があり、趣が深いものであると捉え、あらゆる場面でこの想いを発揮して参ります。その中で、失敗を恐れることなく、みなとらしさやイノベーション的発想を持ち、境港唯一の青年経済団体として、先駆者として、引き続き全力で責務を果たして参ります。
これまでの50年に感謝し、これからの50年に夢を馳せ、また新たな1年ごとの礎を築いて参る所存ですので、今後も引き続き、ご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。
青年らしく青さを忘れず
みなとまちの心意気を胸に
“みなとイズム”を掲げ
おもしろきタネを蒔き続けよう!
一般社団法人 境港青年会議所
2016年度 理事長 門脇 俊介